「週報 ツール」で調べると製品の紹介が並びますが、先に決めておきたいのは何を基準に比べるかです。私がグループリーダーだったころ、週報はメールで出してもらっていました。定型のフォーマットはあったものの、書式はグループごとにばらばらでした。その手間を減らしたくて最終的には週報のシステムを自分で作ったのですが、振り返ると、手段を比べる観点は4つに絞れます。

依頼を自動で配信できるか、数値を蓄積できるか、集約が自動か、反応がメンバーに届くか、の4つです。手段の差がいちばん大きく出るのは集約で、少人数で数値の推移を追わないなら、メールやチャットで足ります。

週報ツールを比べる4つの観点

週報の運用にかかる手間は依頼、記入、集約、返信の4つの作業に分かれ、観点はそれぞれに対応しています(作業ごとにどこまで自動化できるかは週報の効率化に書きました)。

  • 依頼を自動で配信できるか:曜日と時刻、対象の週を決めて毎週自動で送れるか。私のチームは「週報は月曜まで」というルールだけで回していて、忘れた人への催促のほうが依頼より手間でした
  • 数値を蓄積できるか:5段階などから選ぶ項目を、週をまたいで並べられるか。自由記述だけでは、比べることも集計することもできません
  • 集約が自動か:全員分の数週間を自動でまとめてくれるか。ボタンを押して生成する方式は、押さなくなった時点で止まります
  • 反応がメンバーに届くか:コメントがメンバーの目に入る場所まで届くか。画面の中で完結するコメントは、見に来なければ読まれません

手段ごとの比較表

製品によって差がある部分は、典型的な形で書いています。

手段 依頼配信 数値の蓄積 集約 反応 手軽さ、費用
メール 毎週手で送る 書式しだい。報告は週ごとに散らばる 手作業 返信は簡単。記録は受信箱に散らばる 準備なしで始められる
Googleフォーム+スプレッドシート 定期送信の機能はない 選択式の回答が1枚のシートに溜まる 数値は関数で集計できる。文章は手作業 返す仕組みがない 無料。最初の設計に手間がかかる
チャットのワークフロー機能 定期投稿で自動化できる 投稿は流れる。残すには連携が要る 遡って読み比べにくい スレッドでその場で返せる 普段のチャットの中で完結する
日報アプリ、グループウェア 日次が中心。週次は製品による 製品による 日単位の一覧が中心 コメント機能を持つものが多い 導入済みなら追加の費用はない
週報専用ツール 曜日と時刻を決めて自動で送る 数値項目を持つものが多い 自動集計や要約を持つ製品もある 画面内のコメントと通知 費用がかかる。項目の自由度が低いことがある

メール

私の職場の週報はこれでした。準備がいらず、返信も同じスレッドで返せます。弱いのは蓄積と集約で、メンバーの数週分を読み返すには過去のメールを探し出すことになり、書式がグループごとに違えば並べるのも手作業です。

Googleフォームとスプレッドシート

回答が1枚のシートに溜まるので、数値の蓄積と集計は汎用の手段の中でいちばん扱いやすい形です。ただ、決まった曜日に依頼を送る機能はなく、カレンダーやスクリプトで補うことになります。記述欄の読み比べと返信は手作業のままです。

チャットのワークフロー機能

SlackやMicrosoft Teamsのワークフロー機能を使えば、依頼の定期投稿とスレッドでの返信ができます。弱いのは蓄積で、投稿が流れていくので数週前を遡りにくく、数値を残すにはスプレッドシートとの連携を別に組む必要があります。

日報アプリ、グループウェア

コメント機能を持つものが多く、反応を返すのには強い手段です。ただし日単位の記入と一覧を前提にしていることが多く、週単位の振り返りや自己評価の推移を見られるかは製品によります。

週報専用ツール

依頼から通知までを週報の運用に合わせてまとめたもので、4つの観点はそろいやすい一方、費用がかかり、項目の自由度は低いことがあります。今の書式を持ち込みたいなら、項目を合わせられるかを先に確かめてください。

日報アプリで週報も回すときの注意

1つのツールにまとめれば書く場所は1つになりますが、週報が日報のまとめ直しになると、書く手間が増えるだけで新しく分かることはありません。進捗は日報、振り返りと自己評価は週報という分担にすれば、両方に意味が残ります。選ぶときは、日報と週報で別の項目を持てるか、週単位で数値を並べられるかを確かめてください(頻度ごとに掴めるものの違いは日報・週報・月報の役割と使い分けに書きました)。

チームの状況別の選び方

  • 数人で、数値の推移は追わない:メールかチャットで足ります。依頼の配信だけでも自動にすると、催促が減ります
  • 負荷や達成度の推移を見たい:Googleフォームとスプレッドシートで始められます。集計とグラフは一度作れば済みます
  • 全員分を数週分ずつ読み比べたい:読む量は人数と遡る週数の掛け算で増え、5人を4週分ずつでも毎週20本です。ここが専用ツールを検討する分かれ目です

汎用の手段で始めて、手間のかかる作業が見えてから移る順番でも遅くありません。

メールの週報から作った fluxweek

メールでの運用の手間を減らすために作ったシステムを公開したのが、週次報告サービスのfluxweekです。

  • 依頼配信:設定した曜日と時刻に、報告依頼メールを自動で送ります
  • 数値の蓄積:記述3項目と5段階の自己評価、残業時間を、全員が同じ項目で書きます
  • 集約:提出ごとに直近5週分のサマリーを自動で生成し、ダッシュボードにはアラート指標の高い順にメンバーが並びます
  • 反応:フィードバックはメールでメンバーに通知され、メンバーはそれに返信できます

メンバーごとの取り組みと変化を集約した週次報告サマリー画面 メンバーごとのサマリーを一覧表示。個々の報告を開かなくてもチーム全体の状況をつかめる

無料プランでも一通り試せるので、メールやスプレッドシートでの運用に限界を感じている方は触ってみてください。