以前、週次報告のはじめかた — 効果的な週報運用の3つのコツという記事で、週報が形骸化しないための考え方を書きました。今回はその実践編として、実物のテンプレートを置いておきます。
専用ツールを導入する前に、まずはメールやチャットで週次報告を始めてみたい。そんなチームを想定した、今日から使える型です。「週報を導入したいがフォーマットをどうするか決めかねている」「今の週報が重すぎて見直したい」という方は、まずこの型から試してみてください。目的の置き方や締切の決め方まで含めた全体像は週次報告とはにあります。
週次報告テンプレート(コピペ用)
■ 作業内容(今週やったこと)
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■ 振り返り(うまくいったこと・つまずいたこと)
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■ 目標(来週やること)
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■ 残業時間: 〇時間
これで全部です。記述式は「作業内容・振り返り・目標」の3項目だけ。そこに残業時間をひとこと添えます。ExcelやWordで凝ったフォーマットを組む必要はなく、テキストのままコピペで使えます。
項目を絞っている理由は基礎編に書いたとおりで、毎週答えられる問いだけを残すためです。書くのに30分かかる週報は続きませんが、5分で終わる週報は習慣になります。
メールで運用するなら、金曜の夕方など提出タイミングを決めて、件名を「【週報】12/15週 氏名」のように揃えておくと、後から探すときに少し楽になります。チャットなら週報用のチャンネルやスレッドを1本用意して、そこに投稿する形がシンプルです。
記入例
型だけ見ても書き味は伝わらないので、記入例を載せます。開発チームのメンバーを想定した、ごく普通の週の例です。
■ 作業内容(今週やったこと)
- 顧客管理画面の検索機能の実装(8割まで完了)
- 先週リリースした帳票出力の不具合対応 2件
- 新メンバー向けの環境構築手順のレビュー
■ 振り返り(うまくいったこと・つまずいたこと)
- 検索機能は設計を先にレビューしてもらったおかげで手戻りなく進んだ
- 不具合対応が割り込みで入り、検索機能の完了が予定より半日遅れた
- 検索条件の仕様で認識齟齬があり、確認に時間を取られた。仕様の確認は
実装前にテキストで残すようにしたい
■ 目標(来週やること)
- 検索機能の実装完了とテスト
- 帳票周りの不具合の再発防止策をチームに共有
■ 残業時間: 4時間
ポイントは、きれいな文章を書こうとしていないことです。箇条書きで、事実と感じたことが並んでいれば十分。この粒度なら書くのに5分かかりません。それでいて、読む側には「何をしていて、どこでつまずき、来週どう動くか」がひととおり伝わります。
各項目の書き方
作業内容
今週やったことを箇条書きで数行。ゼロから書き起こすのではなく、前週の内容をコピーして直すのがおすすめです。継続中のタスクが多い週は、変わったところだけ更新すれば済みます。進捗が分かるように「8割まで完了」「レビュー待ち」のような状態をひとこと添えると、読む側の理解が一段深まります。
振り返り
いちばん差がつく項目です。コツは、うまくいったこととつまずいたことを最低1つずつ書くこと。うまくいったことだけだと報告が実態より明るくなり、つまずきだけだと書くのが憂鬱になります。両方を並べる型にしておくと、自然とバランスの取れた振り返りになります。
つまずきには、可能なら「次はこうしたい」を添えます。記入例の「仕様の確認は実装前にテキストで残すようにしたい」がそれです。これが書けた週の振り返りは、そのまま自分の改善記録になります。
目標
多くても3個まで。ここに書いた内容が翌週の「作業内容」の書き出しになるので、目標を書く習慣がつくと週報全体が連続した記録としてつながっていきます。
運用で崩れないための注意
この型を運用するうえでの注意点をひとつだけ。記述項目を増やしたくなる誘惑に耐えてください。
運用を始めると、「今週の学びも書いてほしい」「顧客との関係も報告してほしい」と項目を足したくなる場面が必ず来ます。ですが、記述項目をひとつ増やすたびに書く負担は確実に増え、負担が閾値を超えた週から報告は空欄とコピペで埋まり始めます。書いてほしいことが増えたら、項目を足すのではなく、振り返り欄に自然と書かれるようなリアクションを返すほうがうまくいきます。詳しくは基礎編のコツ2に書いたとおりです。
テキスト運用の限界
このテンプレートで「何をしたか」は十分伝わります。ただ、メールやチャットでの運用には限界もふたつあります。
ひとつは、本人のコンディションが文章に表れないこと。負荷が高まっていないか、仕事が重すぎないか。こうした状態は、調子が悪いときほど書かれなくなります。文章の印象は書き手の性格にも左右されるので、「大変でした」の重みが人によって違い、週ごと・人ごとの比較ができません。かといって、状態を書かせる記述項目を足すのは、先ほどの注意に反します。
もうひとつは、蓄積が活用しにくいこと。メールの週報は受信箱に流れていくので、数週間の変化を追ったり、振り返りに使ったりするには、都度掘り返す手間がかかります。基礎編で書いたとおり、週報の真価は蓄積したデータにあるのに、テキスト運用ではそこが弱いのです。
この型に「状態把握」を加えたのが fluxweek です
この限界を仕組みで解決するために作ったのが、週次報告サービスの fluxweek です。入力はテンプレートと同じ記述3項目+残業時間。そこに、状態把握のための5段階の自己評価(ストレス・タスク難易度・達成度)を加えています。
テンプレートと同じ記述3項目に、5段階の自己評価を組み合わせた入力画面
自己評価はスライダーで選ぶだけ。数秒で入力でき、毎週確実に記録される
選択式なら数秒で答えられるので、書く負担はほぼ増えません。それでいて、記述では拾えないコンディションの変化が毎週確実に、比較可能な形で記録されます。3軸の目安はこんなイメージです。
| 評価 | ストレス | タスク難易度 | 達成度 |
|---|---|---|---|
| 5 | 限界が近い | 手に負えないと感じる | 予定以上に進んだ |
| 4 | 高い状態が続いている | かなりの背伸びが必要 | ほぼ予定どおり |
| 3 | 多少あるが問題ない | ちょうどよい挑戦 | 一部持ち越しあり |
| 2 | 落ち着いている | 慣れた仕事が中心 | 半分程度 |
| 1 | まったくない | 物足りない | ほとんど進まなかった |
運用するときは、この数値を評価の材料にしないとチームで合意しておくことが大事です。「達成度が低いと査定に響く」と思われた瞬間、全員の報告が4と5で埋まり、データとしての価値が消えます。数値は本人のコンディションと負荷を知るためのシグナルであって、成績表ではありません。
使い勝手の面でも、テキスト運用の手間がいくつか解消されます。設定した曜日・時刻に報告依頼メールが自動で届き、メンバーはリンクから入力画面に直接アクセスできます。作業内容の前週コピーは標準機能で、蓄積された報告と自己評価は推移グラフやダッシュボードでいつでも見返せます。メールで受け取って掘り返す運用と比べると、「蓄積を活用する」ところのハードルが大きく下がります。
まずはこのテンプレートをメールやチャットで試してみてください。運用が回り始めて、状態把握や蓄積の活用まで欲しくなったら、fluxweek を覗いてみてもらえるとうれしいです。