1on1を導入しているチームは増えましたが、その中身に自信を持てているマネージャーは意外と少ないんじゃないでしょうか。「最近どう?」から始まり、近況を一通り聞いたら時間切れ。毎回同じような雑談で終わってしまい、お互いに「この時間、意味があるのだろうか」と感じ始める。身に覚えがあります。
振り返ってみると、原因は準備不足でした。マネージャーがメンバーの直近の状況を知らないから、まず状況を聞くところから始めるしかない。業務内容や進捗、困りごとを口頭で確認するだけで、15分や20分はあっという間に経ちます。キャリアの方向性、チームへの提案、抱えている不安といった本当に話したいテーマに踏み込む前に、時間が尽きるわけです。
かといって、事前準備のためにメンバーへ「1on1シート」の記入を求めるのは本末転倒で、新たな報告業務を増やすだけです。どうしたものかと考えて気づいたのは、準備の材料ならすでに手元にある、ということでした。毎週提出されている週次報告です。
1on1の前に、直近数週分の週次報告を読んでおく
やっていることはこれだけです。
週次報告には、作業内容・振り返り・目標に加えて、ストレスやタスク難易度、達成度といった自己評価が記録されています(この項目構成に落ち着くまでの経緯は週次報告のはじめかたに書きました)。3〜4週分に目を通せば、次のことが事前に分かります。
- 直近で取り組んでいる業務と、その進み具合
- どこでつまずき、何を課題と感じているか
- 負荷やコンディションがどう推移しているか
週次報告履歴画面。直近数週分の報告と推移を1on1の前に数分で確認できる
これだけの情報があれば、1on1の冒頭は「最近どう?」ではなく「週報で見たけど、○○の件はあれからどうなった?」から始められます。近況確認が数分で終わって、残りの時間をまるごと対話に使える。メンバーの側も「ちゃんと読んでくれている」と感じてくれるので、話への信頼感が変わってきます。
対話のテーマは「変化」から拾う
週報を読むときは、内容の把握に加えて変化に注目すると、1on1で扱うべきテーマが見えてきます。
たとえば、こんな変化はそのまま対話の入り口になります。
- 達成度が下がった週がある:「この週、達成度が低めだったけど、何があった?」。障害があったのか、見積もりが甘かったのか、割り込みが多かったのか。原因によって打ち手は変わります
- ストレスが上がり続けている:「最近負荷が高そうに見えるけど、実際どう?」。数値の裏にある要因を、本人の言葉で語ってもらいます
- タスク難易度が高い状態が続いている:挑戦的な仕事を楽しめているのか、背伸びが続いて消耗しているのか。同じ数値でも意味はまったく違います
ポイントは、数値を評価の材料ではなく質問のきっかけとして使うことです。「なぜ達成度が3なんだ」と問い詰めるのではなく、変化に気づいていることを伝えたうえで、本人の解釈を聞く。データが対話を開くのであって、データが結論を出すのではない。ここは自分にも定期的に言い聞かせています。
ちなみに最近は、この論点整理をAIアシスタントに手伝ってもらうこともあります。「1on1の論点をメンバー別に整理して」と頼むと、確認したい点や称賛すべき点に加えて、深掘りする質問の文案まで返ってくるので、準備時間がさらに短くなりました。
アシスタントに「1on1の論点をメンバー別に整理して」とお願いした回答。深掘りする質問の文案まで出してくれる
長期の振り返りに広げる
週単位の変化を扱えるようになったら、次はもっと長いスパンの対話です。そもそも週次という間隔だから変化を拾えるという話は、日報・週報・月報の使い分けに整理しました。
四半期の節目や評価面談の前に数か月分の週報を振り返ると、「この期間で何に取り組み、どう成長したか」を具体的な記録に基づいて話せます。記憶だけに頼った振り返りはどうしても直近の出来事に引きずられますが、毎週の記録があれば、期の前半の挑戦や成果も正当に扱えます。
とはいえ、数か月分の週報を毎回読み返すのは現実的ではありません。ここで使っているのが、蓄積された報告をAIが自動で集約する振り返りレポートという機能です。長期の傾向はレポートで短時間で把握して、詳細は必要な週だけ遡る、という使い方ができます。
振り返りレポート。数か月分の報告をAIが集約し、長期の傾向を短時間で把握できる
……という一連の流れを仕組みにしたくて作ったのが、週次報告サービスのfluxweekです。メンバーごとの週次報告と自己評価の推移はいつでも確認できるので、直近の状況把握は数分で済みます。
蓄積された週次報告は月次・四半期・半期単位でAIが自動集約して、振り返りレポートとして出力できます。評価面談前の長期の振り返りも、レポートを読むところから始められます。
1on1の準備に悩んでいる方は、まず手元にある週報を読み返すところから試してみてください。